訪問介護事業所の管理者にとって、「社会福祉法」は余り関わりのない法律かもしれませんが、社会福祉法の第8章「福祉サービスの適切な利用」の中で、以下のとおり社会福祉事業の経営者の責務が規定されています。
なお、ここで言う「社会福祉事業」については、社会福祉法第2条で、第1種社会福祉事業(主として入所施設サービス)と第2種社会福祉事業(主として在宅サービス)が列挙され、この範囲に限定されていますので、注意が必要です。
訪問介護・第1号訪問事業については、「第2種社会福祉事業」を規定する社会福祉法第2条第3項第四号の規定のうち「老人居宅介護等事業」に該当することになります。
社会福祉法 第2条第3項(第2種社会福祉事業)
四 老人福祉法に規定する老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業、老人短期入所事業、小規模多機能型居宅介護事業、認知症対応型老人共同生活援助事業又は複合型サービス福祉事業及び同法に規定する老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、老人福祉センター又は老人介護支援センターを経営する事業
老人福祉法 第5条の2
2 この法律において、「老人居宅介護等事業」とは、第10条の4第1項第一号の措置に係る者又は介護保険法(平成9年法律第123号)の規定による訪問介護に係る居宅介護サービス費若しくは定期巡回・随時対応型訪問介護看護若しくは夜間対応型訪問介護に係る地域密着型介護サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者の居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるものを供与する事業又は同法第115条の45第1項第一号イに規定する第一号訪問事業(以下「第一号訪問事業」という。)であつて厚生労働省令で定めるものをいう。
社会福祉法に規定する「社会福祉事業の経営者の責務」については、利用契約に係る規定(第76条・第77条)以外は、介護保険法や運営基準でも同様の内容が規定されていますが、社会福祉法での規定について、一度目を通しておくことをお勧めします。
この社会福祉法での規定に関連して、厚生労働省からは、「福祉サービス第三者評価事業に関する指針」や「社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針」などが示されています。
【社会福祉事業の経営者の責務(社会福祉法から抜粋)】
(関連) 介護保険制度では、介護保険法第115条の35の規定によって、「介護サービス情報の公表制度」が設けられている。
(関連) 訪問介護の運営基準第8条に、「内容及び手続の説明及び同意」について規定されている。
(関連) 訪問介護の運営基準第8条に、「内容及び手続の説明及び同意」について規定されている。
(関連) 介護保険法第73条(指定居宅サービスの事業の基準)第1項に、「自らその提供する指定居宅サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより常に指定居宅サービスを受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならない」と規定されている。
訪問介護の運営基準第8条(内容及び手続の説明及び同意)に係る解釈通知で、説明し同意を得る重要事項には、「提供するサービスの第三者評価の実施状況」が含まれる旨記載されている。
「福祉サービス第三者評価事業に関する指針」(厚生労働省)
(関連) 訪問介護の運営基準第34条に、虚偽又は誇大な広告の禁止について規定されている。
(関連) 訪問介護の運営基準第36条に、「苦情処理」について規定されている。
「社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針」(厚生労働省)