介護サービス基準のパズル

介護サービスの基準・解釈通知・Q&Aを読み解く ~まずは「訪問介護」の基準から~

旧介護予防訪問介護相当サービスの運営基準が一元化

 昨年(2023年)5月8日に、「旧介護予防訪問介護相当サービスの運営基準は、「旧館」と「増築分」の2つ」の記事を書きましたが、ようやく、告示の全部改正で運営基準が一つにまとまるようです。

 3月7日に発出された介護保険最新情報vol.1210の「介護予防・日常生活支援総合事業のうち第一号事業に係る厚生労働大臣が定める基準案について」で、人員・設備・運営に関する基準についての改正の概要として、次のとおり書かれていました。

 これまで旧介護予防訪問介護・旧介護予防通所介護の基準が廃止された平成27 年度以降に居宅サービス等に上乗せされた基準について厚生労働大臣が定める基準を別に定めてきたところ。今般、情報の一覧性を高める観点、また、居宅サービス等の基準が緩和された際の対応の観点から、旧介護予防訪問介護・旧介護予防通所介護の基準と厚生労働大臣が定める基準とを一元化。

 改めて、これまで、運営基準がどのように規定されていたかを整理すると、次のとおりです。

 総合事業の第1号事業(第1号訪問事業・第1号通所事業)は、平成27年度に創設されたもので、このうち、旧介護予防訪問介護相当サービス・旧介護予防通所介護相当サービスの運営基準は、介護予防サービスの運営基準の平成27年度改定で削除された「旧介護予防訪問介護」と「旧介護予防通所介護」の運営基準【A】を、経過措置で「なおその効力を有する」として適用してきました。

 その後の改定事項については、平成30年度は、老健局長通知の「地域支援事業実施要綱」の中で規定していましたが、令和3年度は格上げし、新たに、令和3年厚生労働省告示第71号「介護保険法施行規則第140条の63の6第1号に規定する厚生労働大臣が定める基準」【B】で規定したものです。

 今回の改正は、【B】を全部改正して、【A】と【令和3年度改定のB】と【令和6年度改定】を一元化して整理しようとするものです。

 正式な改正告示は3月中旬に公布される予定とのことですが、平成30年度改定から7年目に入って、ようやく運営基準が整然としたものになります。

 

 後は、第1号訪問事業・第1号通所事業の指定事業者に対する運営指導の根拠が明確になることを期待します。